メタルフリー治療
メタルフリー治療またはノンメタル治療は、一切の歯科金属を使用しない歯科治療です。パラジウム合金や水銀アマルガムなどの金属を安全に除去し、オールセラミック、ジルコニア、ジルコニアセラミックなどの金属を使わない素材を用いて、詰め物、被せ物、土台などを再構築します。
非金属素材は生体親和性が高く、金属が体内に取り込まれる心配や金属アレルギーのリスクがありません。また、金属による不快な症状が緩和したり、完全になくなったりすることも期待できます。
当院では、金属アレルギー治療としての歯科金属除去、また歯科金属を使用しないメタルフリー治療に力を入れております。
お口の中の金属が及ぼす影響
一般的に「銀歯」には、金銀パラジウム合金が使用されています。金、銀、パラジウム、銅、およびインジウムなどが含まれており、さまざまな悪影響が懸念されます。
金属アレルギー
金属が唾液に溶け出し、体内に取り込まれると、タンパク質と結合して異物(アレルゲン)と認識され、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。
歯茎の色素沈着
差し歯や被せ物の金属が溶け出して歯茎に沈着することがあり、歯茎が黒ずんだり変色したり(メタルタトゥー)、審美性を損ねることがあります。
2次カリエス(虫歯)
2次カリエス(二次的な虫歯)の主な原因に、銀歯の劣化が挙げられます。歯と詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)の間に隙間ができると、むし歯が発生しやすくなります。
見た目が悪い
目立つ銀歯が気になり、笑う際に口を手で覆ってしまう人が多いです。白い歯と比べて、銀歯は目立つため、審美性に影響を及ぼすことがあります。
保険適用の銀歯によるリスク
歯科医療で使用される「銀歯」は、その正式名称が「歯科鋳造用金銀パラジウム合金」であり、金12%、パラジウム20%(JIS規格)から成り立っています。残りの成分は銀が50%前後、銅が20%前後で、その他の成分が含まれています。この合金は、保険治療の詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)として一般的に使用され、一般の人々によく知られています。
ただし、この中のパラジウムは、ニッケルやクロムとともに金属アレルギーを引き起こしやすく、アレルギー感作率は37.9%で最も高いことが知られています。金属アレルギーに対する関心が高まる中、最近ではネックレスなどのアクセサリーに対する金属アレルギーも話題となっています。口腔内は粘膜であり、肌よりもタンパク質(ケラチン)が少ないため、唾液に溶けた金属がイオン化して血液に浸透し、体全体に影響を及ぼしやすくなります。その結果、臓器を含む体のさまざまな部分で症状が現れる可能性があります。
実際、ドイツでは歯科医療でのパラジウムの使用が勧告されておらず、スウェーデンでは妊婦と小児に対して完全に禁止されています。パラジウムは免疫力の破壊を引き起こし、免疫不全をもたらし、さまざまな病気のリスクを高める可能性があります。口腔がんや舌がんも、パラジウム合金と接触する部位で発生することが多く、発がん性の疑いがあるため、その使用が制限されています。
さらに、パラジウム合金が歯肉に溶け出し、黒く変色して刺青のような状態を引き起こす「メタルタトゥー」も問題視されています。
確かに銀歯は保険適用の為、安価に取り入れることが可能ですが長期的なお口や身体の健康を考えるとセラミックなどの金属を一切使用しない歯科素材の方が格段に優れており、当院ではメタルフリー治療を推奨しておりますがご予算の問題もあるかと思いますのでお気軽にご相談ください。
患者様に最も適した治療選択をご提案致します。(※当院は患者様の健康を第一に考えてメタルフリー治療を推奨しておりますが、無理にセラミック治療の選択を迫るような事は一切致しませんのでご安心ください。)