定期メンテナンスの重要性

歯のクリーニング(PMTC)
近年、歯科予防と定期的な歯科健診への意識が高まり、多くの人々がむし歯や歯周病を未然に防ぐために歯科医院を受診するようになりました。

毎日の歯みがきや口腔ケアは重要ですが、それに加えて歯科医院での定期健診(メンテナンスや歯のクリーニング)を年に34回受けることが、口腔内の健康を維持するために最も効果的です。

むし歯や歯周病は進行すると歯を失う原因となり、それが身体全体の健康にも影響を及ぼすことがあります。特に歯周病は心臓病や脳卒中などの全身疾患のリスクを高める要因とされています。したがって、むし歯や歯周病を未然に防ぐために、早期発見と治療が重要です。

定期メンテナンスのメリット
むし歯、歯周病などを早期発見できる

むし歯は初期段階では歯の表面に小さな白い斑点として現れ、ほとんど痛みを伴いません。この段階でむし歯を発見し、治療を受けることができれば、歯を削ることなく簡単に改善できます。定期的な歯科健診でむし歯を早期に見つけ、治療を開始しましょう。

歯周病は歯茎の軽度な腫れや出血から始まりますが、初期段階では自覚症状がほとんどありません。歯周病が進行すると歯茎が後退し、歯がぐらつくことがあります。

初診の際、歯科医師はレントゲン撮影によって歯や歯茎の内部を詳しく調べます。むし歯や歯周病が見つかった場合、すぐに治療の予約を入れることができるため、悪化を防ぐ前に治療を受けることが可能です。

むし歯や歯周病のリスクが軽減する

定期的な歯科クリーニングは、通常の歯みがきでは取りきれない歯の隙間や歯と歯茎の間の歯垢やバイオフィルム、歯石を効果的に除去します。

クリーニングによって、細菌の数を減少させ、口腔内の清潔さを保ちます。歯石は歯垢が硬化したもので、歯ブラシでは落とすことができません。放置するとむし歯や歯周病を引き起こし、歯茎の腫れや出血、歯周病の原因となります。

クリーニング後は歯の表面がつるつるになるため、歯垢が付着しにくくなることでむし歯や歯周病のリスクが減少します。

早期治療によってトータルコストを抑えられる

むし歯や歯周病の早期発見・早期治療によって、総合的な治療費を抑えることができます。

むし歯が進行すると、神経治療や歯の抜歯、被せ物による治療の必要性が生じ、様々な費用がかかります。早期治療では通院回数が少ないうえに治療費も抑えられるため、経済面・通院面の両方の負担が減少します。

天然歯を長く健康に保つことができる

永久歯は一度失ったり、削ってしまった部分を元に戻すことができません。その他の手段として入れ歯やインプラントなどが考えられますが、いずれも天然の歯には及びません。そのため、天然歯の健康をいかに守るかが、長期的なお口の健康と全身の健康において重要です。

むし歯や歯周病は初期段階では症状がほとんどありません。定期健診を受けることでむし歯や歯周病を早期発見・早期治療できれば、歯を失うリスクが減少します。

治療後のメンテナンス

補綴物を入れた歯は、むし歯の再発(二次カリエス)のリスクが高まります。歯科医院での定期的なメンテナンスやクリーニングが重要です。歯科医師や歯科衛生士による定期的な検査とプロフェッショナルなクリーニングによって、補綴物の周りの歯垢や汚れを除去し、問題を早期発見・対処できます。

また、歯の健康を守るためには自宅でのケアも欠かせません。補綴物の周りや歯と歯茎の境目を丁寧に磨き、フロスや歯間ブラシを使うことが大切です。治療後のメンテナンスのポイントは次のとおりです。

プラークを除去する

補綴物と歯の接合部分にプラークがたまりやすいため、特にこの部分のブラッシングやフロスでのケアを念入りに行いましょう。プラークを取り除くことでむし歯や歯周病の再発を防げます。

高度な治療が可能な歯科医院を選ぶ

拡大鏡(歯科用の顕微鏡)など高性能な機器を使用する歯科医院で治療を受けることで、補綴物の品質が向上し、歯との段差が少なくなります。その結果、二次カリエスのリスクが低減します。

劣化しにくい素材(セラミック)を選ぶ

劣化しにくく汚れが付着しにくいセラミック補綴物を選びましょう。セラミックは自費診療となりますが、耐久性に優れ、二次カリエスの予防に役立ちます。

フッ素を使用する

フッ素塗布を受けることで歯質を強化し、むし歯に対する耐性を高めましょう。また、フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を日常的なケアに取り入れることも有効です。

歯科医院で定期検診を受ける

歯科医院での定期的な検診とメンテナンスを受けることは不可欠です。歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルなケアによって、口腔内の問題を早期に発見・対処できます。セルフケアだけでなく、プロの手によるメンテナンスを受けることで、二次カリエスの予防率が高まります。

歯間ブラシとフロスの違い

歯間ブラシとデンタルフロスは、歯と歯の間の汚れを取るための歯科衛生用で、どちらも口腔ケアにおいて重要なツールです。ただし、使い方に違いがあり、状況に合わせた使い分けの必要があります。

歯間ブラシは、比較的太くて短いブラシのような形状をしています。歯と歯の間の広い隙間に適しており、すきっ歯の人に向いています。

デンタルフロスは、細長い糸状の歯科用具で、歯と歯の間に挟んで汚れや歯垢を取り除くのに適しています。歯間が狭い人や歯並びがきれいな人に向いています。デンタルフロスは歯と歯の隙間に糸を差し込むことで汚れを取り除きます。

エアフローによる予防歯科

エアフローは、歯科医療で使用される高性能な機器で、歯の表面についた歯垢、ステイン(着色汚れ)、歯石を効果的に除去するために使われます。

当院では、エアフロー・プロフィラキシスマスターを導入し、患者さまにより安全で快適な歯科治療を提供しています。従来の機種と比較して飛沫が60%削減され、温水を使用するため、知覚過敏の方にも配慮した施術が可能です。

歯垢や歯石を除去しやすい

エアフローは高圧の水流を使用するため、歯の表面から歯垢や歯石を効率的に取り除くことができます。これにより、歯周病やむし歯のリスクを低減できます。

歯の表面を磨くことができる

エアフローは歯の表面を優しく磨くことができ、歯の色や光沢を向上させます。歯の表面が滑らかになるため、歯垢や色素がつきにくくなります。

治療時間が短縮される

従来の歯石取り治療に比べてエアフローは作業時間が短く、優れた治療効率を持ちます。また、痛みが少なく、治療後の歯の感触も良くなります。

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